ブランドをしっかり作るからチャンスをものにできる 2005.09.15

秋物からある著名百貨店で取り扱いが決まったデザイナー。

取引のきっかけは、展示会の案内とブランドの資料をバイヤー宛に送付したことだそうです。
その後展示会に来てくれたか電話して、来ていないというので、ブランドの資料を見てもらうようお願いしたそうです。
すると実際に見てみたいということで、商品を持参し、バイヤーからいろいろと質問されたそうです。

ブランドコンセプトは?
どのようなお客様を想定しているか?
商品のポイントは?
などです。

彼女はきちんと説明できたそうですが、そのバイヤーが言うには、デザイナーではきちんとブランドコンセプトやターゲットを説明できない人が多い、とのことです。バイヤーはこれらの説明を聞いて、自社の売り場コンセプトや客層に沿うブランドかどうか判断しているようです。

さて商品を見せたところ、一見地味に見える商品だが、フォルムのバランスや、素材使いのセンスのよさ、着用したときの細かな配慮等について、はバイヤーの方で気づいて評価してくれたそうです。

個性を強く打ち出す奇抜なデザインではなく、オーソドックスなデザインの中にもしっかり個性が感じられると見てくれたそうです。こういう評価をきちんとしてくれるのも、日本でトップクラスの売り場だからでしょう。

また、デザイナー本人は、今回取引が決まった理由は「タイミング」だと言います。ちょうど売り場を新しくするために30代前半をターゲットにしたブランドを探していたということです。

しかし私は、これまでデザイナーが作ってきた商品のセンスとクオリティがバイヤーが求めるレベルに達していたこと。
その上でブランドコンセプトをはじめ、販促ツールにまで一貫しているイメージとセンスの良さ、こだわりが新たな売り場を作るときのアクセントになると評価したからではないでしょうか?

そのブランドのホームページやツール類、オフィスもそうなのですが、こんな風にしたい、というイメージがはっきり感じられます。
ツールに使っているイラストは友人だったり、昔知人に紹介された人を覚えていてお願いしたりしたそうですが、それを上手くコーディネートできるのも、才能なのでしょう。

さらに10月からはやはり人気が高いセレクトショップにも採用されるそうです。こちらは資料を送っても反応が無かったので、電話をしたところ、担当者ではない人が電話に出て、「担当が連絡しないのは、こちらの求めるレベルに達していないからではないでしょうか・・・改めて連絡します」ということで、2週間ぐらい待っても連絡が来ないので、電話しようか、どうしようかと悩んだ末に電話をかけたそうです。

そうすると、その担当バイヤーにつながり、ブランドの資料を見てもらったところ、やはり実際に商品を見てみたいということになり、そこからとんとんと決まったそうです。やはりこちらのバイヤーも商品の細かな配慮や、さりげないデザインの中に個性を見出してくれたそうです。

ということは、すでに商品としては完成度が高いこと。
さりげない中に個性があるのでお客様が購入しやすいこと。
さらにブランドコンセプトやターゲットが、売場の求めるイメージに沿っていれば、バイヤーが求めるタイミングになるまでアプローチを続けることでチャンスに繋がる。

という成功法則が見えてくるようです。