出来事から学ぶ人、被害者になる人 2005.10.06

宇津木えりさんのセミナーで感じたことはいろいろあるのですが、とくに「良いことも、苦しいことも、全て自分の糧(かて)に換えていく前向きのパワー」が成功の源であったのだろうと思いました。

さて、「自分の人生に起こる出来事には全て意味がある」という言葉があるそうです。

仕事をしていても、自分の意に添わない結果、突然の事故やアクシデント、苦しい環境、人から非難されること、裏切られること、のようなつらい出来事も、それを「学び」の機会と捉えて、プラスに活かすことが仕事を成功させる上で大切なのだそうです。

逆に考えると、つらい出来事がおきたときに「この出来事は、自分に何を学ばせようとしているか」というように客観的に考えることで、自分に欠けていること、これからの未来に必要なことに気づくこともあるのです。このくせがつくと、つらいことが起こるとチャンスと考えるプラス発想が身に付くそうです。

さて、自分の思い通りに仕事が進まないとき、望む結果が出ないときに、
A)それを自分の責任として受け止めて、反省する人と、
B)その原因を他所に求めて、被害者意識を持って嘆く人の2通りがいます。

例えば合同展に出展しても、望むような結果がでなかったときに、出来事から学ぶA)タイプの人は、自社商品やディスプレイ、営業方法等について、「何が欠けていたから結果がついてこなかったのか」を反省し、結果を素直に受け止めることで、次回にもっと結果を出すための方法を考えていくことができます。
中には人が集まっている人気の出展者に教えを請う人もいます。
結果がでなかったことが、学びになり、自分や仕事のクオリティを高めることに繋がるのです。まさに出展料が勉強代になります。


しかし、自分を被害者の立場にするB)のタイプの人は結果が出なかった原因を自分と切り離して考えます。展示会の来場者が少なかったから、タイミングが悪い、ブースの場所が悪い、会場の風水が悪い、等々被害者になっていきます。自社の商品や展示は優れていて、何も悪いこと、足りないことは無いと考えています。

ですから、もっと良い展示会に出れば結果がでるとか、場所が良ければ結果がでる、と考えてしまいます。自己分析をしないので、次回に向けての方針が検討できません。次回も同じ失敗を繰り返します。

同じような条件でも、すばらしい成果を出している出展者があっても、そこから学ぼうという姿勢も持ちません。

また、例えば、自分が指示した仕様と異なる製品を工場が仕上げてきたとき、被害者の立場で、工場に「直してください」とクレームをつけるだけでは、同じミスが繰り返される可能性があります。

それを学びと考えるなら、自分の指図が悪かったのか、連絡ミスなのか、納期が短く急がせたからなのか、相手先が苦手な仕事なのか、原因を考え、それを改善することで、仕事のクオリティが高まるのです。


また出来事から学ぶ人は、自己責任で仕事をしているので謙虚になるそうです。
出来事を受け止め、それに立ち向かっていくことから強さが生まれます。トラブルから逃げないので信用が高まります。人を惹きつけていきます。まさに経営者として必要な素養なのではないでしょうか。

そんなの当たり前だよ、という人はきっと経営者として成長している人だろうと推測します。よかったです。おめでとうございます。

逆に被害者になるタイプの人は、何事にもネガティブになったり、自分を卑下したり、逆にいつも怒ってばかりだったり、批判的になったりします。ネガティブに考える人は、やはりネガティブな結果になることが多いようです。

そして結果がでないことを周囲のせいにするので、信頼関係も失うようです。

周囲の影響を受けやすいので、いつも心が安まりません。イライラしたり、不安になったりしながらの仕事はよけい仕事をつらくしてしまいます。
別の仕事に逃げ道を求めて転職しても失敗するのはこのタイプです。

さて、自分に起きるつらい出来事も(もちろん良い出来事からも)、「この出来事は自分にとってどのような意味があるのか?」と考えてみてはどうでしょう。

私の場合は、理不尽なこと、腹立たしいことがあると、それをバネにするというか、見返してやる、乗り越えてやるという変なパワーがでるようです。
むしろ何事も上手くいって、平穏でいるとダメだと感じます。