趣味や得意分野で一点突破 2005.05.27

先日東京シューフェアが開催されている夜に、雑誌シューフィル主催の
シューフィルライブというシンポジウムにスピーカーとして出席しました。
産学交流ということが言われていますが、企業と学校の考えがどう違うか?
ということがテーマでした。

聴講者の多くは若いクリエーターや学生など将来靴業界に進みたい人が多かったようです。また靴メーカーさんの顔もチラホラ見られます。

私からは、デザビレの紹介をさせてもらい、その後シューズビジネスを始める人についての私の感じていることを話させていただきました。

最近、シューズを教える学校が増え、シューズ関連に仕事につきたい人が増えています。
しかし現状では靴業界というのは縮小しています。業界が縮小していくと、体力や特長の無い零細メーカーから潰れていきます。雇用も減ります。

さらに創業期のブランドにとっては新規参入が難しくなります。

ハイテクやIT、エコなどの成長分野なら業界全体が上りエスカレーターに乗っているように市場が拡大するので、努力すればそれなりに企業も育ちます。
しかし、創業ブランドにとっての靴産業は、下りのエスカレーターで大企業や中小企業が降りてくるところに、逆らって上っていくぐらいに厳しい状況ですから、普通に「努力」しているだけでは成長できません。

「何をすれば成長できますか」という質問に対して、私からアイデアの一つとしてお話したのが、音楽やスポーツ、ファッション等何でも良いのですが、とにかくこれだけは負けないという分野を作り、それを商品に活かすことです。
○○という音楽やバンドにはものすごく詳しいとか、ゴスロリにはものすごくこだわりがあるとか、バイクにはこだわるとか、日本の戦国時代の歴史には詳しい等、得意分野や好きながあるとテーマ設定や掘り下げがしやすくなります。
また、得意で好きな分野に関連させることで、仕事も楽しくなるという効果もあります。

市場では、製品の品質だけではなく、そのブランドが提案するライフスタイルやコダワリが人気を左右します。
ライフスタイルの提案とは、言い換えれば趣味や嗜好を共有できる人を巻き込んでいくことです。細部にわたるまで、デザイン上の薀蓄(うんちく)や企画背景となるストーリーを語ることで、購入者を圧倒するのです。

大手ブランドはある程度のロットを見込まなくてはいけないため、誰にでも受けるように個性を抑え気味にします。

そこに、創業ブランドが戦う隙間があるのです。

とにかく、創業期にブランドはテーマを決めて「一点突破」が重要です。
一点突破のポイントは趣味や特技などの得意分野、コダワリ分野の知識や経験です。

そうすると・・・開発する商品全体にテーマが無く、単に商品単品の面白さだけを考えてデザインしていくと、商品もバラバラだし、コダワリが伝わりにくいというのもわかってもらえるのではないでしょうか?

さらにブランド力が弱いうちに、ブランド名をいくつも使ったり、毎回テーマを変えてみたり、商品点数が少なくて世界観が表現できなかったり、無難な商品ばかり作ったりしても勝ち目は無いと思います。

ちなみに「何をすれば成長できますか」と聞く企業や人は目標が定まっていないから伸びにくいと思います。目標設定が成長のポイントですから、しっかり目標を持った上で、「○○したいけど、どうしたらよいですか」と聞くところは伸びていく可能性があります。